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転職市場から応募者が消えた?ダイレクトスカウトが必須である3つの理由

辻 雅史辻 雅史
公開日 2025.10.13
ダイレクトスカウトが必須である3つの理由を一枚で伝えるヒーロー画像

有効求人倍率1.2倍の売り手市場が続き、求職者の絶対数が不足しています。「転職したいが動かない=潜在層」が増加しているため、待っているだけの「応募依存の採用」は機能しにくくなっています。 だからこそ、求人サイトに出てこない潜在層へ直接アプローチできるダイレクトスカウトが不可欠です。

まとめ

  • 有効求人倍率1.2倍の売り手市場が固定化し、求職者より求人が多い構造が続いている。
  • 転職市場に出てくる「顕在層」がそもそも少ない。
  • 転職したい「潜在層」は1,000万人まで増加しているが、転職者数は300万人程度で横ばい。
  • 潜在層が動かない理由は、現職満足度の上昇・経済不安・情報過多による比較疲れにあると考えられる。
  • 応募依存の採用は、母集団そのものが不足するため成立しづらい。
  • 市場に現れない潜在層に直接アプローチできるのが、ダイレクトスカウト唯一の強み。
  • スカウトは大手と中小企業の情報格差をなくし、「個人」に直接訴求できる公平な手法。

    これらのデータから、ダイレクトスカウトこそが今後の有効な採用戦略になると考えられます。

【有効求人倍率1.2倍】求職者 < 求人数という「売り手市場」が固定化

有効求人倍率は1.2倍前後と高水準が続き、求職者1人を複数企業が奪い合う状態が固定化しています。新規求人倍率も2倍を超え、人手不足はさらに深刻化しています。

厚生労働省が発表する有効求人倍率は近年1.2倍前後で推移。これは、求職者1人に対して約1.2社が取り合う状態を意味します。過去20年で有効求人倍率は大きく変動しましたが、今の1.2倍前後は明確な「人手不足」の水準です。求職者より求人の方が多いため、応募が集まらないのは構造的な問題です。

2000年から2024年までの有効求人倍率の推移を示す折れ線グラフ。2000年代前半は0.5〜0.6倍で推移し、2007年に1.0倍を超える。その後0.45倍付近まで低下し、2010年以降は右肩上がりで上昇。2018〜2019年に1.6倍前後のピークを記録し、2020年に1.1倍程度まで低下。その後は1.2〜1.4倍付近で推移している。
図1 有効求人倍率の推移(2000〜2024年)

さらに、最新の新規求人倍率は2倍を超えています。求職者の2倍以上の企業が新規に人材を求めており、人手不足の深刻さがより鮮明になっています。

参考:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年9月分)について

「転職したいが行動しない=潜在層」が増加している

市場に出てくる「求職者」が少ない

総務省統計局による労働力調査結果では、就業者数の増加と完全失業率2%台の低位が続いており、そもそも仕事を探している人が少ない状態です。

2014年から2024年までの就業者数(万人)と完全失業率(%)の推移を示す複合グラフ。青線の就業者数は約6300万人から6700万人へゆるやかに増加して推移。一方、赤線の完全失業率は3%前後から2%付近まで低下し、その後も2%台で低位安定している。
図2 就業者数と完全失業率の推移(2014〜2024年)

参考:総務省統計局「労働力調査(基本集計)2025年(令和7年)9月分結果

「転職したい人」は増えているが、 転職する人は横ばい

転職等希望者は1000万人、増加が続いています。しかし、実際の転職者数は年間300万〜330万人と大きく増えておらず、潜在層だけが厚くなる構造になっています。

2014〜2024年の転職者数と転職等希望者数の推移を示すグラフ。転職者数は2018年に353万人でピークを迎えた後、2020年に290万人まで減少し、2024年には331万人まで回復している。一方、転職等希望者数は増加傾向を続け、2014年の810万人から2023年には1007万人へ拡大し、2024年も1000万人前後を維持している。
図3 転職者数と転職等希望者数の推移(2014〜2024年)

つまり、「転職したいが行動しない=潜在層」が増加していると考えられます。

参考:総務省統計局「労働力調査(基本集計)2024年(令和6年)平均結果

現職満足×不安増大で「動かない転職層」が拡大

現職満足度の上昇と経済不安・情報過多が重なり、転職意向は高まっても行動する人は増えていません。

主な要因は以下の通りと考えられます。

  • 働き方が柔軟になり、急いで辞める必要を感じない人が増えている
  • 賃上げやテレワークの普及で現職への満足度が高まっている
  • 物価高や景気不安で「転職して失敗できない」という慎重姿勢が強まっている
  • SNSや求人サイトの情報が多すぎて、比較に疲れる人が増えている
  • 情報過多で選べず、転職行動が止まってしまう

こうした複合要因が重なり、意向はあっても応募に至らない潜在層だけが拡大しているのが現在の構造です。

ダイレクトスカウトが必須である3つの理由

①求人市場に現れない「潜在層」が圧倒的に多いから

転職等希望者は約1,000万人に達しており、その多くは求人サイトには姿を見せません。

「良い話があれば動く」潜在層は、スカウトのような能動的アプローチでしか出会えない人たちです。

スカウトは「応募していない人」を動かすための最も確実な手段です。

②応募を待つ採用は、応募者数そのものが少ない市場では成立しないから

有効求人倍率1.2倍の環境では、求人数 > 求職者数という構造が続き、求人広告を出しても応募が集まりにくい状態が長期化しています。

応募前提の採用は、供給不足の市場では通用しません。

そのため、市場に出てこない人に企業側からアプローチすることが必須です。

③中小企業でも「大手と同じ土俵」で戦える方法だから

求人広告はブランド力や知名度が重視され、大手ほど有利です。

しかし、スカウトは「個人への直接アプローチ」であり、 企業の規模に関係なく、魅力や仕事内容を直接伝えられるため競争条件が公平になります。
さらに、潜在層に個別にアプローチできるため、中小企業でも優秀層を確実に動かせる「逆転可能な戦い方」です。

「中小企業こそダイレクトスカウトが必要な理由」については、こちらの記事で詳しく解説しています。

参考:データで見る人材不足。中小企業が「SNS採用」を導入すべき根拠

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執筆者

辻 雅史

辻 雅史

インターン

情報系大学院在籍。教育系スタートアップにて、運営として記事制作やデータ分析、集客やマーケティングなどの業務に従事。スタートアップ従事者として、挑戦しやすい日本を実現するため株式会社BizDBにインターン参加。